対人関係療法
対人関係療法
学生の皆さんはもう楽しい夏休みでしょうか。
あるいは、むしろテスト期間でご苦労されているところかもしれませんね。
私は、担当させていただいていた、ある大学院の講義が終わりまして、ホッとしているところです。
講義にいらしてくれた学生さん達は真面目でやる気のある方ばかりで、時に鋭い質問をされ、それに刺激を受けて、自分の知識をブラッシュアップすることもできました。
また、自分の専門外の分野については、最新の動向を確認し直すこともできました。
その中で、前々から勉強したいと思っていた「対人関係療法」をかじることができたのも良かったです。
対人関係療法というのは、難治で知られる「摂食障害」に対する驚異的な改善率を誇る治療法です。
我が国の対人関係療法の分野では水島広子先生が第一人者と言われているのですが、そのご著書を何冊か読むことができたのは、自分にとって大きな収穫でした。
当たり前のことですが、本を読むだけで、その治療法を習得できるはずはないので、摂食の問題がある方はぜひ専門の施設を受診していただきたいのですが、私も、対人関係療法のエッセンスをわずかでも自分の臨床に活かせればと考えました。
話は、摂食障害から離れますが、水島広子先生の「自己肯定感、持っていますか?」という本も名著だと思います。
健康な自己肯定感を持つことは、とても大切なことですが、一般的に、当科を受診されるような方では、あまりそれが叶えられていません。
そういった方に、どうやって自己肯定感を高めていただくかは、私も悩んできましたが、この本には、私にとっては目から鱗が落ちるような方法が書かれていました。
その理論の信憑性については、これから検証されるべきでしょうが、一読の価値のある本であることは確かだと思います。興味のある方は、一度手に取ってみられてはいかがでしょう。